先日、お客様が古い着物をリメイクしたお洋服を
数枚見せてくださいました。
こちらのチェックの紳士物ジャケット、
素材はなんだかわかりますか?
とてもしっかりと織られています。
こちらはなんと、三味線の糸から作られたものとのこと、
お客様のおばあさま、明治38年生まれの方が
お若いころ、三味線のお稽古の時で使った切れた糸を、
お師匠さんやお友達からもらったりしてためておいて
それを業者に出して溶かして糸にしてもらい、
染めてもらって、織ってもらって、生地にして
着物に仕立てて普段に着ていらしたとのこと。
その着物をほどいて、ご主人のジャケットに
仕立てなおされたのだそうです。
よく見ても、素材は絹とは思えないくらい
しっかりかっちり通られた
美しい生地です。
捨てるものを利用して作ったエコな着物とはいえ、
かかる費用も手間も、半端ではない、ある意味贅沢な
でも、ものの命を大切に思って生かして使う、
明治の女性の暮らし方と、
そのおばあ様の思い出の着物をリメイクして
現代に現役で使ってあげているお客様の着物への愛情を感じ
うるうるとなってしまったひと時でした。
古いものを大切に、生かしてあげて、ふだんに使う。
つくづく、すてきだなあ~と思いました。
貴重なものを見せてくださったGさま。
本当にありがとうございました!